今こそ乳がんについて詳しくなろう!

ここ数年、乳がんに対する世間の関心非常に高まっています。 乳がんに罹患していない女性も、乳がん検診や治療について関心を持っており、正しい情報を求めています。 今回の記事は乳がんについての知識を高め、いざというときに備えてほしいことをまとめています。ぜひ役立たせてください。

乳がんの罹患者と死亡率

日本人女性にとって、乳がんは全てのがんの中で罹患者が一番多く、14人に1人が罹患する病気であると言われています。罹患者数は年々高くなっており、30代後半から急激に増加する傾向があります。 乳がんの死亡者数も多く、死亡者は大腸がん、肺がん、膵臓がん、胃がんに次いで5番目に多く、年間で14,000人以上が亡くなっています。 ただ、乳がんと診断されてから5年以内の生存率は91.1%と高く、罹患者数は年々増加していても、乳がん発見後に早期治療をすることができれば、生存の可能性が上がる病気です。

乳がんの原因

乳がんが発生する原因の5~10%は遺伝子によるものです。元々乳がんになりやすい遺伝子を持っている方が乳がんになりやすい傾向があることが判明しています。 家族の中に乳がんの経験者がいる場合は、乳がんにかかる確立が通常の2~4倍 になるというデータがあります。 自分が乳がんになりやすい遺伝子を持っているか気になる方は、医療機関で相談したり、検査をしてもらったりすることが可能です。 下記サイトで、相談できる医療施設の一覧が掲載してあります。

特定非営利活動法人 日本HBOCコンソーシアム

http://hboc.jp/index.html

※現状遺伝子検査は保険適用外のため、検査費用は高額になります。医師に相談し、検査が必要かどうか再度検討しましょう。

検査も重要ですが、定期的に検診を受けることが何よりも大切です。 また、乳がんの発生原因に密接に関係しているのが、生活習慣病です。飲酒の習慣や肥満は乳がんになるリスクを上げてしまうと判明しています。

ほかにも、乳がんになるリスクを上げる条件があります。

・初潮年齢が早い
・出産経験がない
・初産年齢が30歳以上
・閉経年齢が55歳以上

これはエストロゲンという女性ホルモンが関係しています。エストロゲンは乳がん細胞の中にあるエストロゲンの受容体と結びつき、乳がん細胞の増殖を促進します。月経がある時はエストロゲンの影響を強く受けるため、月経期間が長い人ほど、乳がんリスクが上昇します。

乳がんの治療法

乳がんの治療は、発見された乳がんの状態によって治療方針が異なってきます。 乳がんの種類は主に2種類あり、非浸潤がん、浸潤がんがあります。 非浸潤がんはがん細胞が転移しておらずその場に留まっているがんのことです。発見される乳がんのうち、この非浸潤がんは全体の1~2割と少なくなっています。ただ最近はマンモグラフィー検査により非浸潤がんが発見されることが増えています。

浸潤がんは、がん細胞が乳管を突き破って近くの組織に広がったり、血管やリンパ管に乗ったりして全身に運ばれて転移をする可能性があるがんのことです。 乳がんの診断がされるとき、この浸潤がんの状態で発見されることが多くなっています。 治療は、まずはさまざまな検査でがんの状態を調べ、判明した状態に合わせて進められていきます。

乳がん治療では浸潤がんも非浸潤がんも基本的には手術療法を取り入れることになります。手術では、がんの病巣だけではなく、周囲の組織も取り除きます。 非浸潤がんの場合は、この手術療法は非常に効果的です。 もし手術で完全に取り除くことが可能になれば、乳がんを根治することができます。

しかし浸潤がんは、がん細胞が体のほかの箇所に転移していることが多いため、手術療法のほかに抗がん剤治療や放射線療法で、微細ながん細胞を死滅させていく全身療法を組み合わせて治療を行っていきます。

早期発見・早期治療のために

乳がんに限らずですが、がんは早期発見、早期治療が鉄則です。 早期発見のために、必ず定期的に乳がん検診を受けましょう。 厚生労働省が設置し、専門家で構成されている「がん検診に関する検討会(厚生労働省)」においては、乳がん検診は40代以上の女性が2年に1度受けることが適当とされています。 そのため多くの自治体で、2年に1度受けることを奨励しているようです。 がん検診を受ける機会はさまざまに設けられていますが、自治体では無料から3000円程度の金額で受診できるので経済的にもお得です。

最近では20代30代の女性が会社や自主的にがん検診を受けることも増えています。気になる方は、定期的に受けてみて不安を解消するのもいいでしょう。 乳がん検査は、視触診、マンモグラフィー検査、超音波検査の3種類があります。 視触診は医師が目でみたり触ったりして乳房に異常がないか確認していくものです。 体に負担がかかりませんが、がんがある程度の大きさにならないと発見できにくい検査でもあります。

マンモグラフィー検査は、医師の触診や自己チェックでは発見できない小さなしこりや石灰化している小さな乳がん見つけることができます。しかし、乳腺の発達している30代までの若い女性世代ではがんと乳腺の区別が付きにくいという欠点があります。また若干ですが被曝の心配があります。

超音波検査は、若い女性でも乳がんのしこりを発見できやすく、また被曝の心配もありませんが乳がんの初期症状である石灰化を見逃しやすく、また乳房を挟んで行うため痛みがある場合があります。

乳がん検診とともに、月に一回程度、セルフチェックを行うことも重要です。 鏡の前で乳房に異変がないか手を下げた状態、挙げた状態でチェックし、乳頭を軽くつまんで分泌液が出ないかチェックしましょう。 まとめ 乳がんは早期に発見できれば、根治が十分に期待できるがんです。女性にとっては高い確率でかかるがんであるため、日頃からセルフチェックを意識し、定期検診を受けていざというときに早めに対処できるようにしていきましょう。

【参考】 乳房再建ナビ http://nyubo-saiken.com/cancer/

国立がん研究センター がん情報サービス 最新がん統計 https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/summary.html

がん治療.com https://www.ganchiryo.com/type/index11.php

京都大学医学部付属病院乳腺外科 http://www.brca.jp/consult/diagnosis/index.html

日本乳癌学会 https://jbcs.gr.jp/guidline/p2016/guidline/g1/q05/ https://jbcs.gr.jp/guidline/guideline/g4/g41240/

小冊子「乳がん・卵巣がんと遺伝について」 昭和大学医学部 乳腺外科教授 中村清吾先生 監修 乳がんをまなぶ https://ganclass.jp/kind/breast/selfcheck.php

公益財団法人 日本対がん協会 https://www.jcancer.jp/about_cancer_and_checkup/%E5%90%84%E7%A8%AE%E3%81%AE%E6%A4%9C%E8%A8%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/%E4%B9%B3%E3%81%8C%E3%82%93%E3%81%AE%E6%A4%9C%E8%A8%BA%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6/%E3%82%88%E3%81%8F%E3%81%82%E3%82%8B%E8%B3%AA%E5%95%8F#q2

Written by Ando. Suported by Fact Imaging LLC.
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県境なき医師 七瀬

疾病と健康についての正しい知識が得られれば、間違った医療や健康法で身体を損なうこともなく、医療費を抑制できるはず、との理念を持っています。1人の医師が出来ることは手の届く範囲のことだけですが、情報発信で助かる命や健康もあるはず、と思って頑張ります。

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