舌がんとは? 兆候の発見と治療について

タレントの堀ちえみさんが舌がんを公表されました。

堀さんのブログにて舌がん発覚までの詳細な過程が書かれています。初診時は舌がんと判断されず、その後病院を変えて診察を受けても舌がんだと診察されないまま時間が経過し、症状が悪化していく様子が記されています。

堀さんは自身の症状から舌がんかもしれないと考え、大学病院で受診をしたところ悪性の舌がんが発見されたということです。

彼女のブログを読むと、医師でも舌がんを見過ごすことがあるのかと驚かされました。

今回の記事では読者の方に舌がんについて詳しく知ってもらい、治療に役立ててほしいことをまとめています。

舌がんとは?

舌がんは、口の中にできるがん「口腔がん」の一種です。

口腔がんは年齢性別を問わずに発症しますが、比較的男性、そして高齢の方に多くみられます。

口腔がんは毎年6000人が新たに罹患しており、毎年毎年3000人が亡くなっているがんです。

口腔がんの中でも舌がんはもっとも罹患者数が多いがんで、口腔がんの約6割を占めています。50代後半の方が一番多く罹患しており、年齢を重ねてくると罹患率が高くなっていきます。

舌がんの原因ははっきりと分かっていません。ですが喫煙習慣や飲酒などの生活習慣や舌への刺激が舌がんを誘発する原因になっています。

舌がんは他のがんと比較して自覚症状が明確です。舌の縁や裏などに硬いしこりができるのがその現れです。それが舌の前部2/3、舌の下面や口の下側、歯茎などに広がってきます。

鏡で確認することもでき、比較的に分かりやすいのですが、口内炎と思って見過ごしてしまうことがあり、がんが進行してしまう危険に繋がります。

舌がんは進行すると潰瘍になり、痛みが続いて出血も生じてきます。

舌がんは血液やリンパ液が集まるリンパ節への転移が早いがんとして知られています。がんの進行が早いため、気になるしこりができてから2週間経過しても治らない場合は、耳鼻咽喉科、口腔外科に行き診察を受けることをおすすめします。

舌がんの治療

医師による視診や触診から、舌がんの罹患は判断しやすいですが、舌がんの診断は、最終的には組織診断により決定します。

組織診断ではしこりの一部をこすったり、針を刺したりして細胞を摂取して診断を下します。

診断が確定すると、ほかの検査結果とあわせて検討して治療方針を決定します。

舌はできる限りその機能を保つことを念頭に置いて治療方針を決めていきます。

治療は大きく二つ、手術療法、放射線治療によって進められていきます。この二つに抗がん剤治療を組み合わせて治療をしていきます。

多くの場合は、手術療法によって治療が進められていきますが、手術療法はがんの状態に合わせて下記の段階で進められていきます。

  • 舌部分切除

がんが浅く小さい場合は、舌の一部をがん組織と一緒に切除する術式です。舌が少し変形することがありますが、発声や咀嚼したり飲み込んだりする機能に障害が出ることはほとんどありません。

  • 舌半切除術

がんが舌の先端から真ん中近くまで広がっている場合に、その部分を切除する方法です。

舌部分切除よりも広範囲の切除になりますが、舌の切除部分が半分までであれば日常生活に支障は来しにくく、切除した部分は機能障害を最小限に留めるために胸やお腹の肉で再建します。

  • 舌亜全摘手術

がんが舌の先端から真ん中部分を超えている場合などは舌の半分以上を切除してがんの摘出を行います。

味覚障害はありませんが、咀嚼して飲み込む機能や発生機能の障害は、舌の状態によりどうしても出てしまいます。

  • 舌全摘手術

舌のがんが広範囲にわたると、舌を残せなくなるため全摘手術になります。舌が欠損するためさまざまな方法で再建を試みます。

味覚には影響は出にくいですが、咀嚼して飲み込む機能や発生機能の障害は発生します。

早期の舌がんで転移のない場合は放射線治療が選択されます。

初期の舌がんには、放射線が出る線源を舌に直接当てる「組織内照射」が有効です。病状が進み、手術後にもがんが残存している可能性が高い場合は体の外側から放射線をあてて癌を死滅させる「外部照射」で治療します。

抗がん剤治療は、初期の治療で選択されることは少なく、病状が進んだ舌がんに対して手術療法や放射線治療の補助として用いられます。一般的には放射線治療と並行して用いられることが多い治療です。

舌がんの再発率は11~24%といわれています。治療後も体の他の部位への転移がないかも含めて考えると、10年程度経過観察をすることが必要になります。

まとめ

早期にがんを発見して治療ができれば、5年後の生存率は90~95%と非常に高いものです。しかし病状が進みがんが広がってしまうと50%に下がってしまいます。

舌がんは、全がんの中でも進行速度が速いがんのため、早期に治療を開始する必要があります。

自覚症状は分かりやすいのですが、口内炎と思い患者も、時には医師すら見過ごしてしまうことがあるのです。

口内炎と診断されて、その治療をして2週間経過するのに病状が改善されない場合はいずれ治ると思わずに、再受診をしたりより専門的に看てもらえる病院に行ったりして自己防衛をしていきましょう。

参考

Medical Note

https://medicalnote.jp/diseases/%E8%88%8C%E3%81%8C%E3%82%93

がん治療.com

https://www.ganchiryo.com/type/index02.php

いちから分かる 癌転移の治療法ガイド

http://www.wakarugantenittmgd.com/latest/oral_cancer.html

日本赤十字社 伊勢赤十字病院

http://www.ise.jrc.or.jp/cancer/ca06-10.html

洛和会音羽病院

http://www.rakuwa.or.jp/otowa/shinryoka/koukuugeka/koukuugan.html

Medical Note

https://medicalnote.jp/diseases/%E8%88%8C%E3%81%8C%E3%82%93#%E6%B2%BB%E7%99%82

がん研有明病院

https://www.jfcr.or.jp/hospital/cancer/type/headneck/mouth.html

東京医科大学 口腔外科学分野

http://team.tokyo-med.ac.jp/kouku/info/syuyou.html

Written by Ando. Supported by Fact Imaging LLC.
Supervised by Nanase.

県境なき医師 七瀬

疾病と健康についての正しい知識が得られれば、間違った医療や健康法で身体を損なうこともなく、医療費を抑制できるはず、との理念を持っています。1人の医師が出来ることは手の届く範囲のことだけですが、情報発信で助かる命や健康もあるはず、と思って頑張ります。

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